『宮路一昭のミュージックファクトリー』(Vol.17)
2001年3月1日更新

皆様、お元気ですか?
今日から3月ですね。
東京も春一番が吹き、いよいよ春が近ずいてきましたね。

春と言えば、プロ野球もオープン戦が始まるし、明日からF-1も開幕します。
フェラーリの2連覇なるかマクラーレンの意地を見せるか、ホンダエンジンのBAR&ジョーダンか、
F-1の場合は開幕戦でその年のチャンピオンが予想出来ると言われています。
すご〜く!楽しみです。

最近は、(仮)「桃太郎02」の作曲が終わり、ESP MI Japan東京本校の特別講議の講師をしたり、
「ニャンダーかめん」のサントラ2(東芝EMIより5月9日発売予定)のレコーディング&マスタリングと、
充実した日々を送っておりま〜す。

それでは始めましょう。
宮路一昭の『ミューファクVol. 17』のお時間ですよ!

前回の『映画音楽の巨匠10番勝負!』
第4回目は、『バート・バカラック』でしたがいかがでしたか?
カーペンターズが歌って大ヒットした「Close To You」は本当に名曲ですね。

さて、今回登場するマエストロ(巨匠)は、
今年が厄男!?
大自然から近未来まで!?
もともとギタリスト!?
宮路が今、一番好きな作曲家!?
「リュック・ベッソン」と言えば!?

そうです、第5回目の今回は『Eric Serra』です。

「エリック・セラ」は 1959年9月9日、パリ生まれの今年で42才。う〜ん厄男ですね。
リュック・ベッソンの作品に必ず「エリック・セラ」がいるくらい、
ベッソンとのコラボレーションは最強ですね。
「サブウェイ」でセザール賞最優秀映画音楽賞にノミネートされ、
ヴィクトワールの最優秀映画音楽賞を受賞。
「グラン・ブルー」ではセザール賞、ヴィクトワールの最優秀映画音楽賞をダブル受賞。
「ニキータ」でもダブル受賞を果たす。さらに「アトランティス」でもセザール賞を受賞している。
セザール賞とは、1976年から始まったフランス映画界の権威ある映画賞のことです。

もともと、音楽家の家に生まれたセラですが、
彼が言うには、「父はジャンルを問わずいい音楽ばっかりを聞いていた。そのお陰でぼくは常に質の
高い色々な種類の音楽を聴いて育ったんだ!」やはり習うより慣れろというように、聞いて耳を肥やすことが
大事なんだということがわかりますね。
ちなみに、
セラの父親は50から’60年代にパリでギタリスト/シャンソニエとして活躍をしていたそうです。

宮路の母親も若い頃に合唱団に所属していて、
宮路が子供の頃からコンサートに良く連れていかれた記憶があります。
それも、「スタイリス・ティックス」「スージー・クアトロ」から「青江美奈」「美空ひばり」まで。(笑)

また彼は

「ぼくがこんなに音楽を好きなのは、強制されなかったからだと思う。
 ぼくにとってのギターとは遊びだった。だから夢中になれたんだ。
 音楽はぼくにとって子供の頃から常に楽しみでもあり、遊びでもあった。
 だからこそ、ぼくの人生の一部になったと思う」

と、インタビューで話しています。
彼は5才の時父親からクラシックギターをかってもらい、父親のまねをして遊んでいたそうです。
15才でロックバンド結成、17才でプロデビュー。
以後、ギタリスト、ベーシスト、指揮者、サウンドプロデューサーなどの活動を経て、
1982年にリュック・ベッソンの作品「最後の戦い」からコンポーザーとして活躍しています。
う〜ん。
そうか、息子(6歳)に「ランダムスター型ミニ・エレキギター」を買ってやって、
一緒に「ラウドネス」を弾くのを強制してはいけないんですね!(笑)

話がそれますが、先週の日曜日(2月25日)に初めて息子のサッカーの試合を、
神奈川県の「こどもの国」に見に行きました。
関東甲信越から集まっていたので凄い人でした。
うちの子のチーム「東京Jr.B」は幼稚園年長の部で最下位でした。
やはり、はじめて3ヶ月では優勝のチームの始めて3年には勝てませんよね。(笑)

話を戻しましょう。
「エリック・セラ」は他の巨匠と違い映画音楽の作品はまだ少ないのですが、
どのタイトルも名作ぞろいです。
「最後の戦い」        (1982)
「サブウェイ」        (1985)
「グラン・ブルー」      (1988)
「ニキータ」         (1990)
「アトランティス」      (1991)
「レオン」          (1994)
「007/ゴールデンアイ」    (1995)
「フィフス・エレメント」  (1997)
「ジャンヌ・ダルク」   (1999)

「ジャンヌ・ダルク」で2000年のセザール賞の音楽賞のノミネートには入ったのですが、
僅差でHIMALAYA, L'ENFANCE D'UN CHEF(エリック・ヴァリ監督・ブリュノ・クーレ音楽)が受賞。
個人的には「ジャンヌ・ダルク」の「エリック・セラ」の書くスコアは以前の彼の作品には無かった
曲調だったので、セザール賞が受賞できなくてもこれからの作曲家人生での転機の作品になると思っいています。

さて、宮路が「エリック・セラ」と出会ったのは、「サブウェイ」からですが、
監督がリュック・ベッソンで、出演がイザベル・アジャーニ、クリストファー・ランバート、
ジャン・レノ、リシャール・ボーランジェ、ジャン=ユーグ・アングラード、エリック・セラ!?
そうなんです、この「サブウェイ」には「エリック・セラ」本人も出演しています。

この作品は全編が音楽で彩られており、それと映像のスピード感溢れるシンクロが素晴らしいです。
それは冒頭のカーチェイスのシーンから最後まで息切れせずに続いていきます。
強めのベース音が響くその音楽を手がけるのはエリック・セラです。
劇中、濃いサングラスを掛けたベーシストが登場します。
そう、この謎のベーシストこそ「エリック・セラ」です。

ちなみに、ベッソン映画の常連でもある「ジャン・レノ」は、チョイ役的とも言えるドラマーで出演しています。

『迷宮のようなメトロの不思議な住民たちの生活と、そこに飛び込んだ美しい令嬢。
 物語はメトロのように交錯しいく!!』そんな映画です。
フランス映画には綺麗な女優さんが多くて、露出も多いですが、この作品は露出はないです。(残念!?)
個人的に好きな女優さんは「エマニュエル・ベアール」ですが、「アジャーニ」も美しかったですよ。

「エリック・セラ」で一番好きな曲はなに?と聞かれたら、
リュック・ベッソン監督のハリウッド進出第一作,「レオン」の映画で使われていた、
“SHARP OF MY HEART”と答えます。
エンディングで「スティング」が歌っていたあの曲です。
ちょっぴり切なく哀しいメロディがたまらなく美しいですよ。

宮路の「007」好きは、『ミューファクVol. 15』の「ジョン・バリー」のところでお話しましたが、
「エリック・セラ」も「007」シリーズをやっていたんですね。
シリーズの第17作の『007 ゴールデンアイ』(1995)です。
ピアース・ブロスナンが5代目ボンド役として出演した映画です。
この『ゴールデンアイ』は、これまでの007シリーズにはなかった現代的な仕掛けや演出を盛り込み、
パワーアップしたアクション、戦闘シーンが売りでした。
ブロスナン演じる現代のボンドぶりも良かったんですが、
従来の007シリーズにあったスリルとサスペンスが感じられなかったのがちょっぴり残念でした。

さて、ここでの「エリック・セラ」の「007」ですが、「レオン」や「ニキータ」で聞かせてくれた
いつもの「エリック・セラ」(繊細で綺麗なメロディ)を聞かせてくれたほか、
今までの「007」にはなかった、
ドラムのループを駆使した打ち込みサウンドなども聞かせてくれました。

ここで一言、
「エリック・セラ」の作品で言えるのは、「映像の中での響き」です。
『どの場面の映像にも響く音』これこそが「エリック・セラ」の『神髄』だと思います。
宮路もこの神髄に近付けるように頑張ります。

それではまた次回!
チャオ!

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